この元素サンプルは,ジルコニウムの単体である金属ジルコニウムです.この元素は1798年にドイツのクラプロートにより発見され,1824年にベルセリウスが単離に成功しました.この元素は古くからダイヤモンドの類似品としても用いられていたジルコン(ZrSiO4)に含まれていることから,この名が付きました.
この元素サンプルは,ジルコニウムの単体である金属ジルコニウムです.この元素は1798年にドイツのクラプロートにより発見され,1824年にベルセリウスが単離に成功しました.この元素は古くからダイヤモンドの類似品としても用いられていたジルコン(ZrSiO4)に含まれていることから,この名が付きました.
ジルコニウムは比較的安定性が高く,表面の酸化被膜による保護もあるため耐食性が高い金属です.熱中性子を吸収しにくい元素であることから,原子炉の燃料棒の被覆材としても使用されています(核燃料から出た中性子が他の燃料に当たって連鎖反応を起こすので,中性子を吸収してしまうと連鎖が起こらず燃料として使えない).
金属材料として使用されることはそれほど多くはありませんが,二酸化ジルコニウムが硬く摩耗しにくいため,差し歯やボールベアリング,刃物など,強度を求められるセラミックとしての利用が進んでいます.また二酸化ジルコニウムの結晶は透明で高い屈折率を持つことから,ジルコニアやキュービックジルコニアという名で模造ダイヤモンドとして宝飾品への利用も行われています.これらの用途では,構造的に安定で割れにくい立方晶ジルコニアと呼ばれる結晶構造とするために,二酸化ジルコニウムに10%前後の他の金属イオンが添加されています.