ロジウムの単体である金属ロジウムをメッキしたプレート(スパッタリング用のターゲット)です.ロジウムは1803年にイギリスのヴォラストンにより発見・単離がなされました.ロジウムという名前は,単離の途中で経由するNa3RhCl6が赤色であること,その他のロジウムの塩も赤色であったことからギリシャ語の薔薇(Rhodon)にちなみ命名されました.
ロジウムの単体である金属ロジウムをメッキしたプレート(スパッタリング用のターゲット)です.ロジウムは1803年にイギリスのヴォラストンにより発見・単離がなされました.ロジウムという名前は,単離の途中で経由するNa3RhCl6が赤色であること,その他のロジウムの塩も赤色であったことからギリシャ語の薔薇(Rhodon)にちなみ命名されました.
ロジウムは白金族元素のひとつで,室温では非常に安定で酸化されにくい金属です.地殻中での存在量は非常に少ないため,そのまま金属として使われることはほぼありませんが,安定性や美しい銀白色の光沢から,メッキやコーティングとして用いられることもあります.
ロジウムの最も大きな用途は,自動車の排ガスを浄化する三元触媒です.エンジン内では高温の燃焼によりさまざまな分子が生成していますが,その中には一酸化炭素や窒素酸化物,断片化した炭化水素などの有害成分も含まれているため,これを触媒を利用して分解し,無害な物質にしてから外部に放出しています.この時に用いられるのかプラチナ,ロジウム,パラジウムの3つの金属を用いた三元触媒です.これら貴金属をナノ粒子化しセラミックなどの触媒担体に担持したものが自動車で広く用いられています.
他の身近な用途としては,貴金属へのロジウムメッキが挙げられます.プラチナやホワイトゴールドなどの小食品類は,これらの金属が比較的やわらかく摩耗しやすいため,その表面にロジウムメッキを施してあることがほとんどです(このため,実は見えている銀色はロジウムの色の場合がほとんどです).ホワイトゴールドの装飾品を長く使っているとすり減った部分の色が異なってくることがありますが,これは表面のロジウムメッキが削れ,ホワイトゴールド自体の色が見えることに由来します.
ロジウムは融点が2000 ℃近くとかなり耐熱性が高い金属で酸化もされにくいため,高温用の熱電対の材料として電気炉の温度計などにも利用されています.また一部の用途では,高温下でも反応しにくい特性を活かしてるつぼとして使用されることもあります.