原子番号86 ラドン

このサンプルは,ラドンを徐々に発生する花崗岩をガラスに封入したものです.ラドンはドイツの物理学者ドルンが発見しました.彼自身はこの元素を放射(Emanation)と呼んでいたようですが,のちにIUPACがこの元素を,「ラジウム(Radium)に由来する元素」ということでRadonと呼ぶことを決定しました.

Element Cube_ラドン

ラドンは貴ガス元素のひとつですが,周期表の下の方にあるためそこそこ反応性があることが分かっています.ただ,ラドン自体は半減期がせいぜい数日以下という非常に短寿命の元素であり,あまり多くの研究が行われているとは言えません.

ラドン自体は短寿命であるためほぼ用途はありません.ただ,自然界ではウラン系列の途中に位置するため,ラドン(や,そのもととなるラジウム)がそこそこの濃度で混ざっている地下水などが存在します.これらは放射線による健康への影響を及ぼすことがあり,特に欧州などの古い地殻の地域に作られた地下室などで問題になる場合があります.

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