原子番号102,ノーベリウムのアクリルダミーです.ノーベリウムの発見(合成)は紆余曲折がありますが,確実な生成とみなされているのは1966年のソ連のドゥブナ合同原子核研究所によるものだと考えられています.
原子番号102,ノーベリウムのアクリルダミーです.ノーベリウムの発見(合成)は紆余曲折がありますが,確実な生成とみなされているのは1966年のソ連のドゥブナ合同原子核研究所によるものだと考えられています.
この元素の発見(生成)に関しては,かなりの紆余曲折がありました.まずは1957年にスウェーデンのノーベル研究所のグループがこの元素の生成を報告し,ノーベルにちなみノーベリウムという名を提案しました.IUPACはこれを即座に承認しましたが,のちの経緯からするとこの承認は早すぎたと言えるでしょう.その後他のグループが追試を試みるも,スウェーデンのグループが観測したエネルギーの放出は確認できず,今ではこの発見は何か別の各種の生成だと考えられています.その後バークレーのチームとソ連のドゥブナのグループとが生成を試みますが,どちらも異なる元素を誤検出していたりとなかなか決着がつかない状況となります.1992年にIUPACが行った再評価では,1966年のドゥブナの報告が最初の確実と思われる102番元素の検出だと結論付けています(ただし,バークレー側からはかなり批判を浴びました).102番元素のような重元素は非常に短寿命(※例えば102番元素は最も長い半減期で58分,多くの同位体は1秒以下や1/1000秒以下などの極端に短い半減期をもつ)の原子であり,しかも加速器で光速近くに加速した原子核を別な原子に衝突させ超重原子を作るという方法のため生成される原子が1〜数個と極少量に限られることも,新元素生成の難しさを生んでいます.
何はともあれ,ソ連のドゥブナのグループが正式なこの元素の生成者と認められたため本来であれば彼らに命名権があるのですが,すでにこの時点で102番元素の名前としてノーベリウムという名が多用されていたことなどをふまえ,この元素の名はノーベリウムに確定されました.