原子番号103 ローレンシウム

原子番号103,ローレンシウムのアクリルダミーです.1960年〜1970年ごろにかけ,アメリカのローレンス・バークレー国立研究所のチームとソ連のドゥブナのチームから,103番元素の合成に関する報告がいくつも提出されました.当初IUPACはUCバークレーの優先権を認めその提案する名称であるローレンシウム(この名はローレンス・バークレー研究所の名前にもなっている,サイクロトロンの発明者であるローレンスにちなみます)を採用しました.のちにソ連のドゥブナも同時にこの元素を発見していたと再評価したものの,名称に関してはすでに一般化しているとして変更は行われませんでした.

Element Cube_ローレンシウム

この元素も,102番元素と同様にアメリカとソ連のチームが発見を競った元素です.この元素はアクチノイドとしての化学的な性質を示すことが実験により確認されています.また,塩素などとの反応により+3価のイオンとなりやすいことも確認されています.この元素の合成においては,249Cfに加速した11Bを衝突させることで256Lr(と,3つの中性子が飛び出す)を生成する反応や,249Bkに加速した18Oを衝突させることで260Lrとα線(および3つの中性子が飛び出す)を生成する反応などが用いられています.

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