原子番号106 シーボーギウム

原子番号106,シーボーギウムの名前の由来となったアメリカのシーボーグの写真です.シーボーギウムはソ連のドゥブナ合同原子核研究所のグループが1974年に報告し,同年にカリフォルニア大学バークレー校のシーボーグ,ギオルソらのグループも独立に報告を行いました.より確度の高いデータを得ていたことで命名権を得たアメリカのグループは,グループのメンバーであり数多くの超重元素の合成を成し遂げていたシーボーグにちなみ,この元素をシーボーギウムと名付けました.

Element Cube_シーボーギウム

この元素も他の超重元素と同様,アメリカとソ連のグループがしのぎを削っていた合成です.ほぼ同時期に合成を成功させたものの,崩壊生成物まできっちりと追えて106番元素の合成だと間違いなく言える確度の高いデータを出していたのはアメリカのグループでした.そのためこの元素の命名権がアメリカ側にあることは比較的スムーズに決まったのですが,他の元素の命名におけるいざこざや,この元素に対して提案されたシーボーギウムに対するIUPAC側の「存命の人物の名前を付けるべきではない」という(それまでは存在しなかった)新たなルールなどがもとで紛糾し,これまた紆余曲折合った挙句元の提案のシーボーギウムで決着することとなりました.

この元素の合成において,ソ連グループは208Pbや207Pbに加速した54Crを衝突させるという方法をとり,アメリカのグループは249Cfに加速した18Oをぶつけるという方法をとっています.

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