原子番号115,モスコビウムの名前の由来となったモスクワ州の紋章です.モスコビウムは2003年,ロシアのドゥブナ合同原子核研究所においてロシアとアメリカのグループの共同研究により合成されました.元素の名はこの研究がなされたドゥブナ合同原子核研究所のあるモスクワ州にちなみます.
原子番号115,モスコビウムの名前の由来となったモスクワ州の紋章です.モスコビウムは2003年,ロシアのドゥブナ合同原子核研究所においてロシアとアメリカのグループの共同研究により合成されました.元素の名はこの研究がなされたドゥブナ合同原子核研究所のあるモスクワ州にちなみます.
ロシアとアメリカの合同研究グループは,243Amに48Caを加速して衝突させることで288Mcや287Mcを生成しました.これらの同位体は0.1秒程度の短時間で崩壊し,ニホニウムを生成,さらに軽元素へと崩壊していきます.得られた結果の分析からおそらくMcが生成しているだろうとは予測されましたが,崩壊系列が既知の系列に繋がらなかったため確実な発見とは認められず,新元素の合成が確定するのはより多くのデータを集めた2009年以降の実験結果をもって新元素と認定されました.
モスコビウムの既知の同位体はどれも半減期が1秒以下と短く,その性質を確かめることはできていません.ただ,現在合成されているよりももっと中性子が多い同位体のあたりに安定の島(原子核の陽子数と中性子数がこの「島」と呼ばれる領域のあたりになると,非常に寿命が長くなると予想されている領域)があると考えられており,何とかそこまでたどり着ければ非常に長い半減期の同位体が得られる可能性はあります.